さて、子供の国というのはどうやら全国どこの都道府県にもあるものらしい。筆者が生まれ育った中部地方の某県にもあるし、北海道や東京の地図を見ていても発見することができた。どうやら、1970年代のどこかしらで「国際児童年」というのがあって、それを期に日本全国に「子供の国」なる正体不明の巨大公園が出没したのが、その理由のようだ。少なくとも、中部地方某県の子供の国はそういう理由で作られたと、筆者が小学校4年生の時の社会科副読本「伸びゆく大××」には描かれていた。
まあ、そんな思いを抱きながら中に入っていった。入口の近くには、お約束の「子供動物園」である。確かにひよこはいたが、それ以外の動物はどう見ても成長した大人の動物にしか見えなかった。しかしまあ、子供動物園とあるのだから子供だったのだろう。
筆者は先日、沖縄子供の国というところに行ってきた。
いや何、ただバイト先の某Aマントの人たちがどうしても行きたいというので、仕方なくつきあってやったまでのことだ。
まあ、その某県の事などこの際どうでも良い。話を本題に戻そう。沖縄子供の国である。沖縄県の児童生徒のために作られた施設である。そういえば、筆者がすむ某N村(国立R大がある)は、毎朝平日休日に関わらず6:30になると「さわやかな一日の始まり。N村の児童生徒が起きる時間です」などというはた迷惑な放送を大音量で流してくれる。大音量というだけでなく、スピーカーの調子が悪いのか殺人コウモリのようなハウリングまで流してくれる。こらN村役場、貴様らはR大生を睡眠不足と聴覚障害で殺す気か、こら?!
また話が横道にずれてしまった。沖縄子供の国である。沖縄県の児童生徒のために作られた施設である。そういうわけで、入場料金は「小学生100円,中学・高校生300円,大人900円」である。900円。まあ、今時の遊園地はこれくらい取るのが普通のようだし、そんなに法外という値段でもないだろう。それに、沖縄県内で遊園地と呼んでも良い施設は、ここと海洋博記念公園だけなのだ。独占市場下では多少割高な値段が提示されるのは、資本主義社会では当然の帰結だろう。
沖縄子供の国は、半分が動物園で半分が遊園地、という構成になっている。このあたり名古屋の東山動物園と似ている(全国どこでもそうなのかも知れないが)。そして、どういうわけかコアラまでいる。まあ、コアラは1984年に東山に来て以来、コロコロくんがせっせと繁殖活動にいそしんでくれたおかげで、いまでは全国どこででも見られるようになった。まあ、コアラなんてものは元々夜行性で、開園時間内は普通は寝ているんだから、見てもそんなにおもしろいものでもない。だから普通は早々に引き上げる。
その他の動物。あまり大きい声では言えないが、厩舎が汚い。コアラ舎のあのこぎれいさはいったい何?と問いたくなるような違いようである。そりゃあ、コアラはとても神経質な動物だから、きれいにしておかなければいけないという理屈はわかるが、いくら何でも中の動物が見えないくらい汚れているのは・・・・とここまで考えて、はたと気が付いた。
汚れているのではない。隠しているのだ。我々は動物園に行くと、さも当然の如く動物たちの私生活をのぞき見しているが、はっきり言って見られる側にとってはたまったものではないだろう。ストレスがたまって病気になったり、もしかしたら建物をぶちこわして園外になだれ出てしまうかも知れない。そんなことになったら、すぐ近くにあるアメリカ空軍カデナエアベースは壊滅的な機能停止に陥ってしまうだろう。そんなときに北朝鮮で発電能力の欠如による急激な電圧効果が生じ、コンピュータが誤作動して核ミサイルが打ち上げられでもしたら、大変なことになる。そうか、そういう事情があるから、我々が動物の私生活をのぞき見したりできないようになっているのだな、と納得した。