さて、納得行くかどうかはともかく、休憩を負えた我々は、次の目的地である遊園地エリアに向かった。ここで、一つ断っておこう。沖縄子供の国では、入場料にアトラクション代は含まれていない。自分で買うのである。もちろん、パスポートなどというものは存在しない。あるのは、1枚売りと回数券(16枚,32枚)だけである。もっとも、32枚も一人で使い切ってしまう人など、そうそういないだろうが・・・・。
空飛ぶ空飛ぶ不思議な絨毯
ぐるぐる回る転がりコースター
きんこんかんこん観覧車
エンジン無いけどジェットコースター
何だか良くわからないけどバンジージャンプの台
恐怖の泉
まあ、こんなところだろうか。
余談ではあるが、この「子供の国」から車で2,3分ほどの所に「大人の国」と呼ばれる地域がある。それについての説明は、今回は割愛させていただく。
ここは子供の国である。子供のための施設である。子供が一日、思いっきり楽しんで明日への活力を養うための場所である。沖縄というところは、子供を大切にする土地である。その傾向は今もって続いている。そして、沖縄県の出生率は全国随一を誇る。出生率の低下に苦しみ、急激な社会秩序の崩壊におののきながら暮らしているどこぞの国とは違うのである。今日一日の体験で、そのことが痛いほどわかった。
さて、動物園は見終わった。一息入れよう、と思って自販機のまえに足を運び、百円硬貨を入れようとして、私の手は止まった。そこに表示されている金額が、法外なものに思えたからだ。
120円。おそらく、日本中の大半の人たちは、ジュース一本のこの値段をそんなに高いものとは思わないだろう。10円違うだけだからだ。しかし、我々沖縄にすむものとしては、この120円という値段には法外なものを感じる。我々の感覚では、およそ缶ジュースというのは百円硬貨1枚あれば買えるのが当然だからだ。何という不条理。これはきっと、隣接する米軍泡瀬ゴルフ場から侵入したCIA工作員が行った破壊工作の一環に違いない!等と考えていてものどの渇きはいやせないので、仕方がないから買った。うう、いつかこの20円返させてやるぞ、CIA。
そういうわけだから、私は16枚回数券を買った。16枚なのに値段は15枚分。一枚百円だから、はっきり言ってものすごくお得である。大感激だ。ということで、これから各遊具について解説していくことにしよう。但し、名前などいちいち覚えていないので、そこら辺は適当に命名することにする。
実際に空を飛ぶわけではない。言って見れば、「回転ゆりかご」である。そもそも遊園地の遊具というのは、基本的に機械に振り回されることに主眼をおいている物が大半である。その基本に忠実な遊具といえるだろう。
どこの遊園地にも、コーヒーカップというのがある。あれは、地面に水平な円盤の上にさらに別の小さな円盤を取り付けて、二重の回転構造を楽しむという高度な乗り物である。
これはもっと高度だ。水平な円盤の上にわっかがのっており、それが地面と垂直方向に回転するのだ。しかも、ベルトは麻ひものような布である。安全性に関しては、言うことなしだろう。
何ということはない、ただの観覧車である。と思って乗ったのが間違いだった。とにかく暑い。暑いのは気候のせいであって観覧車のせいではないのだろうが、窓が開かない。あかないことはないのだが、とにかくあけにくくて、無理にあけようとするとかえって暑苦しくなってしまうのだ。きっとこれは、観覧車に見せかけたサウナだったのだろう。危うく騙される所だった。
これも、安全性はバッチリである。何しろ、乗っている間中ぎしぎしと音がするのだ。デザインも、白と茶色のまだらという、なかなかモダンな塗装がしてある。そのうち、モーターの回転数を上げて「高速パノラマコースター」というサービスを始めることだろう。
ジェットコースターである。今では当たり前である宙返りという物もない、こだわりを感じさせる一品。しかも、曲率半径は以上に狭い。それもそのはずで、所狭しとひしめいている遊具や樹木の間をぬってレールが敷設されているのだ。地上からもっとも近い位置にあるレールは、高さ約2m.手をのばせば、簡単に届く。もうスリル満点だ。これに乗ってしまったら、他のジェットコースターなんてかすみたいなものだ。
高い鉄塔からつるされた鎖で人間を振り回すという、アレである。どういうわけか動いていなかった。バンジージャンプ用の台に改造するため、という説もあるが、真相は分からない。崖っぷちにたっているので、回転するときは当然崖の上を通過することになる。もちろん安全対策はバッチリで、崖底から緑色のクッションが設置されている。ただ、落ちたらハブにかまれる可能性もある。もし乗れれば、とても楽しい一品であっただろう。
なんかしらんが、魚が腹を見せて浮かんでいた。
沖縄の未来は明るい。たとえ日本が滅亡の道をたどっても、この島はきっとけなげに生き残っていくことだろう。そういうことを考えながら、私は沖縄子供の国をあとにした。
場所:沖縄市呉屋
交通:那覇空港から那覇交通空港子供の国線乗車、終点で下車。
と、市販の観光ガイドには描いてあると思うが、ウソである。
子供の国行きのバスは、今は無いらしい